平安城鍔 キリシタン鐔 桃山時代

縦約94ミリ✕横約80ミリ。重さ約209ｇ。厚さ約4ミリ。鉄地。 木瓜形の唐草模様の真鍮象嵌の鍔です。大きさからすると、かなり立派な太刀に付いていたようです。 うねるような唐草の独特のエネルギッシュな形から、桃山時代と比定されます。 花の形が十字の紋章に、一部の葉はU字形のカップのようにあしらわれ、それらだけ銀象嵌にされています。従来の唐草にはない形で、何かの隠喩のようです。秀吉の禁教令下で隠そうとしたのでしょうか。 最初は十字架の隠喩と思いましたが、この十字形は十字軍の騎士団の紋章に同じものがありました。日本の武家の家紋にはないデザインです。カップの形は聖杯のようにも見えます。 推定ですがキリシタン武士がキリスト教に仕える自分を騎士団になぞらえたのかもしれません。宣教師からキリスト教を異教徒に広めた十字軍の話は聞いていたことでしょう。仏教徒とキリシタンの衝突は当時、長崎や大分を中心に後をたちませんでした。 耳にはくさび形文字を組み合わせたような模様が、剥がれかかった銀象嵌で刻まれています。鐔は400年の謎を秘めたまま語ろうとしません。 高額商品になりますのでご購入は重々検討された上でお願いいたします。